NEWS & TOPICS
TOPICS2024/5/30
振替休日(振休)と代休の違いは?①
休日出勤した代わりに休みを取得できる企業も多いでしょう。振替休日(振休)または代休と呼ばれる制度ですが、どちらも労働基準法等で定められているものではないせいか、定義があいまいな印象があります。そこで今回は振休・代休の違い、取得方法や運用のポイントを紹介します。
振替休日(振休)とは? 代休との違い
振替休日は、就業規則等で定められた休日を労働日とし、そのかわりに他の労働日を休日とする制度です。休日出勤する前に、あらかじめ振り替える休日を指定して実施します(通達:昭和23年4月19日基発139号、昭和63年3月14日基発150号)。「休日である日曜日に出勤予定→労働日の木曜を休日にする」ということを事前に決めることで、本来休日である日曜日に労働しても休日労働にはならず、休日労働の割増賃金は発生しません。休日を振り替えることについて、就業規則(もしくは労働協約、労働契約等)に規定しておく必要があります。取得単位は1日単位(1暦日=24時間)になります。半日単位や時間単位に分割して取得することはできませんので、取得は1日単位と就業規則に明記しておくとよいでしょう。
代休は休日出勤した後に、その代償として労働日を休日にする制度です。休日を振り替えたことにはならないので、休日出勤の割増賃金が発生します。代休を実施するためには、休日労働があることを就業規則に規定し、36協定を締結する必要があります。
| 振 替 休 日 | 代 休 | |
|---|---|---|
| 休日の指定 | 事 前 | 事 後 |
| 割増賃金 | な し (※) | あ り |
| 就業規則 | 休日振替を規定 | 休日労働を規定 |
| 36協定 | 不 要 (※) | 必 要 |
振替休日(振休)の運用のポイント
<振替休日の指定>
振替休日はあらかじめ振り替える休日を指定して実施するとされています。振替休日を指定し対象従業員に通知する期限は、少なくとも振り替えようとする日、または休日労働日のいずれか早いほうの前日までになります。休日の付与は企業の義務であるため、振替休日の指定には対象従業員の同意は必要はありません。企業が一方的に振替休日を指定することができますが、可能であれば対象従業員の希望を聞いた上で指定するのが望ましいでしょう。
<振替休日と割増賃金>
振替休日は本来の休日を労働日に、本来の労働日を休日にする制度です。そのため休日労働したことにはならず、休日労働の割増賃金が発生しないことは既にお伝えしました。休日労働の割増賃金は発生しないのですが、振替休日が休日労働日と同一週内ではない場合、週40時間超の割増賃金が発生する場合があります。
休日労働日と振替休日が同一週であれば、その週の総労働時間は40時間なので割増賃金は発生しません(下記①)。しかし休日労働日と別の週に振替休日を設定すると、休日労働した週の総労働時間が40時間を超えるため割増賃金が発生します(下記②)。
<振替休日の取得期限>
振替休日の取得期限について、法的に明確な定めはありません。労働基準法35条では、使用者は労働者に対して、毎週少くとも一回(または四週間を通じ四日以上)の休日を与えることが定められています。この法に違反しないようにするために、法定休日に出勤した場合の振替日は四週間以内としましょう。四週四休制を採用する場合は起算日を定める必要があるため、就業規則に「起算日は振替日の属する週の最初の日曜日とする」と規定し、四週間以内の振り替えを実施しましょう。
週休2日制の企業で休日2日のうち1日を出勤した場合、もう1日は休日を与えていますので法35条の問題はありません。では振替休日の取得期限がいつになるのかというと、賃金請求権の消滅時効である3年(改正労基法115条)が限度と言えるでしょう。法的には3年以内であればいつでも可ということになりますが、「振り替えるべき日については、振り替られた日以降できる限り近接している日が望ましい」(昭和23年7月5日基発968号、昭和63年3月14日基発150号)とされています。就業規則で一定の取得期限を設けておくのがいいでしょう。
期限内に取得できない場合、期限の延長や再振替という方法も考えられます。就業規則でその旨を規定すれば可能ですが、あまり長期化するのは望ましくありませんので、ある程度の期間内に取得するか、取得できない場合は割増賃金を支給して精算しましょう。
代休については次回ご紹介します。

参考 : 休日の振替についての通達(昭和23年4月19日基発139号、昭和63年3月14日基発150号)
一 就業規則において休日を特定したとしても、別に休日の振替を必要とする場合休日を振り替えることができる旨の規定を設け、これによって休日を振り替える前にあらかじめ振り替えるべき日を特定して振り替えた場合は、当該休日は労働日となり、休日に労働させることにはならない。
二 前記一によることなく休日に労働を行った後にその代償としてその後の特定の労働日の労働義務を免除するいわゆる代休の場合はこれに当たらないこと。