NEWS & TOPICS

TOPICS2025/3/17

【2025年施行】育児・介護休業法 改正のポイント③ 出生後休業支援給付金、育児時短就業給付金

 今回は雇用保険法の改正により、2025年4月1日に新設される育児関連の給付金を取り上げます。

   

  出生後休業支援給付金

 育児休業取得中の所得減を補うために新設された給付金です。育児休業給付金に上乗せして13%支給されるもので、育児休業給付金と合わせて給付率80%、手取りで10割相当の給付になります。支給要件がやや複雑なので簡単に要約すると、以下のようになります。

  ①対象者が父親の場合、子の出生から8週間以内に産後パパ育休を通算14日以上取得。対象者が母親の場合、子の出生から16週間以内に育児休業を14日以上取得。
  ②対象者の配偶者が、子の出生から8週間以内に通算14日以上の育児休業を取得。または、子の出生日の翌日において「配偶者の育児休業を要件としない場合」に該当していること。

   「配偶者の育児休業を要件としない場合」
     1.配偶者がいない
     2.配偶者が被保険者の子と法律上の親子関係がない
     3.被保険者が配偶者から暴力を受け別居中
     4.配偶者が無業者
     5.配偶者が自営業者やフリーランスなど雇用される労働者でない
     6.配偶者が産後休業中
     7.1~6以外の理由で配偶者が育児休業をすることができない

       (配偶者が日々雇用される者など育児休業をすることができない場合や、育児休業をしても給付金が支給されない場合(育児休業給付の受給資格がない場合など)が該当します。)

 ①および②を満たすと、最大28日間支給されます。支給申請は、出生時育児休業給付金または育児休業給付金の支給申請と併せて、同一の支給申請書を用いて行います。申請書に配偶者の(ⅰ)被保険者番号(ⅱ)育児休業開始年月日(ⅲ)「配偶者の育児休業を要件としない場合」に該当する場合の「配偶者の状態」のいずれかを記入します。



   

    厚生労働省「「出生後休業支援給付金」を創設します」パンフレットより


  育児時短就業給付金

 育児中の柔軟な働き方として時短勤務制度を選択しやすくするため、時短勤務により低下する賃金を補填する給付金として新設されました。子が2歳になるまでの間、賃金の10%が支給されます(賃金低下が10%未満は調整あり。支給限度額459,000円)。
 支給要件のひとつに「2歳未満の子を養育するために、1週間当たりの所定労働時間を短縮して就業する被保険者であること」があります。所定労働日数を変更した結果1週間当たりの所定労働時間が短縮される場合も含みます。短縮後の1週間当たりの所定労働時間に上限・下限はありません。育児・介護休業法に基づく所定労働時間の短縮措置(1日6時間勤務とする措置)でなくても支給対象になります。しかし、フレックスタイム制などで総労働時間は変更せず、結果的に賃金が低下した場合は対象外となりますのでご注意ください。
 支給申請手続きは育児休業給付金とほぼ同じです。まず「育児時短就業給付受給資格確認票」、「雇用保険被保険者 所定労働時間短縮開始時賃金証明書」を提出します。その後は2か月に1回「育児時短就業給付金支給申請書」を提出します。添付書類としては賃金台帳、出勤簿、タイムカード、労働条件通知書等が必要になります。



    厚生労働省「育児時短就業給付の内容と支給申請手続」パンフレットより